本をよるべに

本を読んだ感想や日々のことを思うままに書いてます

『記憶の図書館: ボルヘス対話集成』

今回は、『記憶の図書館: ボルヘス対話集成』の感想です。
エッセイではないけど、対談っていうジャンルそうそうないから、近いであろうエッセイとする。

目次

あらすじ

ボルヘスフェラーリによる15分間の番組で対話したものを何日分もまとめたもの。
とてもボリューミー。

感想

読んでみて自分の考えを話して、誰かと対話するということに憧れるようになった。
なかなか自分の考えや思いが言語化できないので、二人ともすごい人なんだと感じた。

神が存在したら、人が人一人それぞれ見分けられるように神は蟻や蝶など全てを見分けられるという. 感じのことをボルヘスが発しており、なるほどと思った。
キリスト教的に言えば、神は全知全能なので1匹1匹蟻を見分けられるのか…凄い。

対話にてさまざまな作家や作品が出てきて、どんどん読みたい本が増える増える。
ただ積読が多すぎて増やせない悲しさ。
今の半分くらいになったら、万札握りしめて本屋にい行きたい。

『聖アントワヌの誘惑』

今回は、フローベールの『聖アントワヌの誘惑』の感想です。

目次

あらすじ

アントワヌが、神や幻獣などの様々な幻影を見て怯えたり歓喜したりする。

感想

感情教育が面白かったのでこちらを買ってみた。
マクベスみたいな、脚本的な感じの文章で慣れるまではちょっと読むのが大変でした。
クセが強かった。
慣れてからはマシになりました。

聖と名前の上につくのでキリスト教的なものが出てくるかと思いました。
予想通り神や三位一体とか出てくるのですが、スフィンクスとかギリシャ神話の神とか出てきて、
ごちゃごちゃしててそれはそれで面白い。

アントワヌは、いろんなものを見て恐れたり喜んだりしてたのですが、
なんとなく小心者のような感じだけどなんか憎めない感じでした。

ちょっと他のフローベールの本で、フローベール再チャレンジしたい。

『地図と拳』

今回は、小川哲さんの『地図と拳』の感想です。

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あらすじ

満洲国ができる前から第二次世界大戦後くらい。
地図を作成する人や、建築を志す人、様々な人が戦争に巻き込まれ、
だまし騙される。

感想

小川哲さん初めてかなと思ったけど、『ユートロニカのこちら側』を読んでいたので初めてではなかった。
本自体、鈍器本と呼ばれるくらいの分厚さですがスルスル読めました。
話がテンポよく進むからかなと思います。

戦争が絡んでいるので、そこまで明るくはないですが戦争の悲惨さを伝える話ではないので、
読んでてしんどさはなかったです。
話の主軸の人が何人か亡くなるのですが、読んでて気に入ってた人が死んでしまうのは、ちょっと悲しい。
そこで死んでしまうかーってなってしまう。

一番気に入ったのは明男かな。
真面目そうだけど、生真面目ではない感じでちょっとズレてるというか、
自分の世界を持っている感じがいい。
気温とか一発で当てられる能力欲しい。

気が向いたら、小川さんの他の本読もうかな。

『間の悪いスフレ』

今回は、近藤史恵さんの『間の悪いスフレ』の感想です。

目次

あらすじ

ビストロ・パ・マルに来る様々な人たちの話。
どの話も料理に関わってくる。

感想

毎回読むたび、こんな店近くに欲しい!フランス料理食べたい!. って思ってしまう。チーズ嫌いなのに。。。

話の一つの『間の悪いスフレ』は、あーこうなっちゃうかと思ってしまった。
相手のことが好きだと、どうしても見栄はっちゃったりしますよね。
それがパ・マルに来て露骨に現れてしまった、そんな話でした。
相手のこと好きだからこそ、見栄張っちゃう。
だけど、逆もある。
両方とも好きだからこそだから、憎めないけどなんだかなと思う。
素が一番良いと思うけど、そうもいかないのもあるし結婚までの道のりって難しいですね。
そんなことを思ったお話でした。

『奇病庭園』

今回は、川野芽生さんの『奇病庭園』の感想です。 久々の日本の作家、しかも現代。

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あらすじ

角が生える、鱗が生える、鰭が生える、翼が生える…. そんな奇病が流行っている世界。
主に、翼が生えた妊婦に産み落とされた双子の赤子の話。

感想

奇病が流行っても悲観的なものではなく、仕方のないもののような感じ。
騒ぎ立てると思ってたけど、そんな騒がない。
普通ではないことが当たり前のような感じの世界。
凡人の私には、恐ろしく感じる。
自分に鱗が、角が、鰭が生えたらと考えると怖くて怖くて。
角なんて生えたら、もう死ぬしかなくて怖い怖い。  

話は短編が集まって長編になったような感じ。
登場人物多くなって、ちょっと私の頭ではキャパオーバー。
あれ?見たことあるような名前と思って、前のページめくって思い出すという始末。
記憶良い人だと、すぐ話の繋がりが掴めて面白さがすぐ味わえて羨ましい。

双子の二人に関連する話以外もあり、私的にはイリュアンが出てくる『翼に就いてⅡ』が一番好き。
所属していた教団から脱出して、生きやすさや自由を手に入れた感じのイリュアン。
教団のいう普通の押し付けがとても嫌。
私も普通に当てはまらないものをもっているので共感する。
ただ教団に連れ戻そうとするフュルイがとても嫌。
善意の押し付けそのものでとても嫌。
自分の行動が正しいと思いこんで、押し付けてくる人の嫌さが現れていて読んでてムッとする。
もうちょっと目を覚ましてくれたら、イリュアンは平和だったのかなと思う。
フュルイ、罪深いぞ。

そんな感じで、読み応えはある感じですが短編の集まりの長編って感じなので、
幻想文学系を初めて読むのにはいいのではないかなと思いました。

『恋愛論(下)』

今回は、スタンダールの『恋愛論(下)』の感想です。

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あらすじ

スタンダールが考える、恋愛について書かれてます。
スタンダールから見た、国ごとの恋愛についても書かれてたりします。
偏見あるかかも。

感想

結晶作用の話が面白かったので、下巻はどうかなと思ったのですが、
上巻の方が好きかな。

各国の特徴は、本当にそうなのか私にはわからない。
フランスについて結構辛口評価じゃないかと感じる。

女性の教育についても書かれているけど、私にはよくわからない。
自分がもし教育受けれてなかったら、本読めないし知識もなくなるし、
生きてて楽しいと思うことすら無くなるのではと思うので、
やっぱり万人に教育をするのは大切だよと思うのでした。

『夢の扉』

今回は、マルセル・シュオッブの『夢の扉』の感想です。

目次

あらすじ

いくつか話が入っている。
現実的なようで、非現実的なことがいくつか起こる。
ハッピーエンドは、あまりない。

感想

どことなく暗い感じなのに、夢見心地のような心地よさを感じる。
これを読んで全集買う決心がつきました。

後半の短編の話たちは、なんか苦手。
ただ、同じ話を違う訳者が翻訳したりしていて、
訳者によって読みやすさが大きく変わるのを実感。
翻訳の大変さをなんとなく感じる。

全体的に話が劇的に盛り上がったりするわけではないので、インパクトに欠ける。
なので、なんの話よんだっけってなってしまう。
寝る前に読むには最適かも。