本をよるべに

本を読んだ感想や日々のことを思うままに書いてます

『差し出し方の教室』

今回は、幅允孝さんの『差し出し方の教室』の感想です。

目次

内容

さまざまな職業の方の差し出し方と、
ブックキュレーターとして本を差し出した時の話がまとめられています。

感想

グジャグジャなものを差し出されるより、整理されたもの差し出された方が気分が良い。
というのはわかっていますが、差し出す物の専門家がだし出すとなるとこだわりが見えてくる。
それはエゴではなくて、差し出すモノを尊重したり相手に対して考えたりとある。
受け取る側が多いので、いつもなんとなく受け取っているのですが、
ちょっとしたことでも差し出し方考えてみたり、
受け取る時差し出した人のことを考えてみようかなと思えました。

『グリフィスの傷』

今回は、千早茜さんの『グリフィスの傷』の感想です。

目次

あらすじ

傷にまつわる話が10編。
傷の持ち主、自分以外の傷の話など。

感想

千早さんの世界観、やっぱり好き。
なんかしみわたる。
顔、まぶた、足、腕とさまざまな箇所の傷が出てくるけど、
どれも傷ついた理由が全く違う。
残る傷一つが、その人を物語るものになるのかなと思った。
理由無くして傷なんてできないと思うし。

まだまだ私は千早さんの本好きだなと思った。

『センスは知識からはじまる』

今回は、水野学さんの『センスは知識からはじまる』の感想です。

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内容

センスとはどういうものかが具体的に言語化されており、
誰でも身につけることができて、どうしたら身につくのかが書かれている。

感想

数値化できない事象の良し悪しを判断して、最適化すると書かれてて、
センスという言葉には言語化できない感じを表す時に使うなとしみじみ思う。
ただ、これにはたくさんのインプットが必要で、それがあるからこそ
無意識に用いて判断できるんだなということがわかった。
私も仕事で時々センスあると言われることがあるけど、
言語化できないけど褒める時に使ってんだなと思った。
けど、それは私もちゃんとインプットしてそれを用いて判断ができているんだなと思えました。
センスを磨くのは、インプットを怠らないことだなと思ったので磨いてこ。

『蝶のしるし』

今回は、台湾女性作家の作品集の『蝶のしるし』の感想です。

目次

あらすじ

女の子や既婚者、独身など様々な女性が登場する。
『コーンスープ』と『蝶のしるし』が私は好きで、
前者は同棲してる恋人同士の話で、後者は既婚女性だが女性に惹かれる話。

感想

コーンスープのこの別れるきっかけが、生々しくて好き。
言う時のタイミングとか状況により、たった一言で関係が終わってしまう。
このリアルさが、とても良い。
終わってからの女側の行動一つ一つが戻れないことを表しているようで、
どうにもならないのに後で気づくというのも良い。

蝶のしるしは、既婚者女性が女の人に惹かれていく話。
既婚女性は酷いですよ、どう考えたって。
言葉にしないと伝わらないのですよ、何も。
それはわかっているのですが、物語なので既婚女性に肩入れするわけです。
グッとくるんですよね。。。
既婚女性の感情のどうしようもなさに。
なんかこのグッとくるのどこかであったなと思ったら、
あれだ中山可穂さんの『マラケシュ心中』だわ。

探すのめんどいから買おうと思ったけど絶版。。。
中学生の頃読んだのですが、その頃抱いた感情とおんなじような感情を
今でも抱けるんだと思い驚き。
変わらない部分ってあるんだなと思いました。

『夢に追われて』

今回は、朝比奈弘治さんの『夢に追われて』の感想です。

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あらすじ

16篇あり、どれも不可思議なことが起きている。
ディストピアっぽいものやシュールな話まであり、どれも普通ではない話。

感想

16篇もあるのに、一番最初の話の『KINOCOー19』が好き。
キノコの菌に感染してしまう話なのですが、どんどん侵蝕されていくのに
どこかしら驚きもせず普通に過ごす。
仕方ないよね、みたいな感じで。
異常な事態になっているのに、恋人同士最後まで一緒にいて、
このシュールさと恋人同士の仲の良さが同時にあってとても好き。
こういうの久々に読めて満足。

『あしたのことば』

今回は、森絵都さんの『あしたのことば』の感想です。

目次

あらすじ

ことばについて、の短編集。
それぞれ小学生の子供視点の足話が大半。

感想

言葉についての悩みって、どうしても人間関係に紐づくなと思う。
相手ありきの言葉だからですかね。
1人でこう書いてたって何も起きないけど、その言葉を受け取る人が存在すると発生しちゃうからか。

小学生が思う感じが、とてもリアルというか生々しい。
反面、みんなこんなにいい子ばかりだったらなと思う。
どの話も相手のことを思って、言葉を受け取ったり投げたりして、
心無い言葉に傷ついて。
どの時代もそうなんだよなと言うのを思い出させる。
言葉怖いし、威力あるし。
仕事でチャットツール使うけど、言葉適当な人が多いし考えて入力しないんだなと感じる。
この本に書いてる子たちのように、言葉を相手に使う時もっと考えてほしいものだ。。。

『妾と愛人のフェミニズム

今回は、石島亜由美さんの『妾と愛人のフェミニズム』の感想です。

目次

内容

妾や愛人について、それぞれの意味や時代による意味の変遷が書かれてる。
文学作品や雑誌などから抽出して、書かれている。

感想

色々な時代の作品読んでると、愛人とか妾とか出てくるから、なんとなく購入。
妾と愛人って意味同じだと思ってたけど、違うんですね。
あと、愛人の意味が今違うと言うことに驚き。
今後読む本に出てきたら、今よりも理解ができそうです。

読んでて思うのは、結婚して子供産むことが一番みたいな時代に生まれなくて良かったと
しみじみ思う。
私にとってそれは、とんでもなく息苦しいことになったと思う。
本当、今でよかった。