元々尾崎翠さんの小説あまり読んだことないのに全集買っています。 あまり、長編が今のところないんですよね。 短編メインの作家さんだったのでしょうか。
読書日記
全集の中で、読み終わった話の簡単なまとめと感想を書きます。
今回もそれぞれ数ページの短い話でした。
- 『少女ララよ ──伝奇物語』
詩人アントニオの旅の話。
途中、盲目の少女ララに出会う。
その後も、ララのことが心に残るが旅を続ける。
題にもある通り物語な感じで、不思議な感じがします。
ララの存在も、とても美しい少女でかつ盲目とのことで、読んでても今後絶対何かあると感じてしまいました。
昔話のような、神のお告げ的な感じもあり一種のファンタジーでした。
- 『初恋』
受験準備のために、漁村に来ていた。
そこで友達になった兼松君に誘われて、盆踊りに行き初恋をする。
最後まで読んで、オチがこれは酷いと思ってしまった。
ちょっと主人公可哀想というか…笑ってしまう。
吊橋効果とかあるし、場の雰囲気によって美化されてしまったのかもしれないと思いました。
そういう恋って忘れないんですよね。
- 『香りから呼ぶ幻覚』
学生時代の友達のKと会い、昔行っていたMレストランへ行く。
Kはしょっちゅう行っているらしい。
そのレストランの、刺のある牡丹のような女給に会う。
後日、またKと会うと、刺のある牡丹のような女給からタバコ一箱で聞いた、恋の話を聞かせてきた。
嗅覚に訴えるのって、結構記憶に残りますよね。
残ると言いますか、記憶が蘇りやすいと思います。
あの人の匂いなんとなく落ち着くとか、あるので尚更そう思ってしまう。
ただ、女給の執念すごい。恋する女のパワー凄まじいと思いました。