今回読んだ本は、
基本的に、あまりネタバレしないように書いていきます。
目次
購入理由
小川洋子さんにハマって、発売順番に読んでいるため。
主な登場人物
私
本書の語り手。大学生。
大学の資金を伯父の遺産から出してもらうため、伯母と一緒に住むことになる。
ちょっと心配性な感じがする。ユーリ伯母
ロシア人。
私から見ると、父の兄弟の奥さんのため血は繋がっていない。
名前にAが入っていないのに、いつもAの刺繍を入れている。
父も父の兄弟も亡くなっている。
ロシア革命後に日本に来たらしい。
ロマノフ王朝の皇女なのか?ニコ
私の彼氏。強迫性障害を患っている。
そのため、建物に入る時にとある動作をしないと基本的に入れない。そのことを儀式と言っている。
名前は、ニコの母親がつけたニックネームで本名ではない。オハラ
私と伯母が住んでいる館に来る。
館には伯父の遺産である動物の剥製がたくさんあり、それを狙っている?胡散臭そうな人物。
伯母の綺麗な青い目に魅了される。
伯母がロマノフ王朝の王女なのでは?と疑問を持つ。
本の内容
私の視点で見た、私と伯母が伯父の館で過ごした、なんともおかしな生活。
伯母は、せっせと伯父が残した剥製にAの刺繍を毎日入れる日々。
伯母のお世話を私はしているが、基本的に伯母が部屋にこもっているため苦ではなかった。
しかし、オハラが来てから私と伯母と時々ニコが来ていた生活が徐々に変わっていく。
オハラが伯母がロマノフ王朝の皇女なのではと気づき、世間から注目されたりと館の中は騒がしくなっていく。
感想
読んでいて、こだわりを持っているなと思いました。
ニコは建物に入る時、儀式をする事にこだわる。
伯母は、Aの刺繍を剥製に入れることにこだわる。
オハラも、伯母と関わる事にこだわっているのかもしれない。
となると、私は?
私は、何にこだわっているのだろう。
私と伯母とニコの3人で過ごす事にこだわっていたのだろうか。
私だけ、オハラは怪しいと排除しようとしていたので。
みんな、何かしら大なり小なりこだわりを持ち生活しているのでしょうね。
話の最後は、静かにしんみりとした感じで終わりました。
小川洋子さんの本を読む時、最後あたりゾワゾワと不快な感じと言いますかゾワゾワとしな言いようのないものが今回はなかったですね。
この本を勧めたい人
- 日常に隣接した非日常を読みたい人
- たくさんの剥製に囲まれた生活を擬似体験したい人
- ユーリ伯母が、ロマノフ王朝の皇女なのか解明したい人